「仕事があるから?」


「だって俺もお前も芸能人なんだ。ファンに飯を食わしてもらってるようなもんなんだぞ?俺はそのファンに向かってお前は恋人じゃないって言った。それなのに結婚したら?」


「そんなの言い訳だよ!」


悠果里は涙目になりながら声を荒げた。


「前から思ってたけど公平はズルいよ...」


「何がズルいんだよ!」


公平も思わず声を荒げた。


悠果里の目は涙が溢れ充血している。


「付き合う時も結局、私から告白して、プロポーズぐらい公平からして欲しかったけど、結婚なんて考えてなさそうだし...私はいつまで公平のこと隠し続けなきゃいけないの?普通の恋人みたいにはなれないの?」


「俺達は普通の恋人にはなれないよ...」


公平は虚しそうな目を悠果里に向けながら吐き捨てた。