都内の一等地に建つマンションの40階、つまり最上階が公平の自宅だ。


一人暮らしにしては無駄に広いリビングとキッチン。


そのリビングのソファで悠果里は眠っていた。


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「じゃあ明日は朝7時で。あと悠果里さんと会う時は注意を。」


「お前しつこい!お疲れさん。」


公平はサングラスをかけると、大介の話をロクに聞かずに車を降りた。


今、二人の関係がバレたらマズいことなんて公平が一番わかっている。


公の場で恋人否定宣言をした以上、二人の関係が明るみに出たらファンのみならずスポンサーからの信頼はがた落ちになることは確かだ。


部屋に着き、公平が鞄から鍵を取り出して鍵穴に差し込むと既に鍵は開いていた。


玄関には女物のスニーカー。


「あいつ...鍵ぐらい閉めろよな。」


リビングに入ると予想通り悠果里がソファに転がっていた。


公平は起こそうとはせずに寝室からタオルケットを持ってくると寝ている悠果里にそっと着せた。


2週間ぶりの悠果里の寝顔を公平は愛おしそうに見つめていると悠果里が目を覚ました。


「久しぶり...。」


まだ眠そうな目をして悠果里は言った。


「おう。」