「あれ?楓と春菜じゃん。どうした?」
私たちに気づいた冬也が話しかけてきた。
ナツは私を見るなり顔をそむける。
やだ…
気まずい。
「冬也、ちょっと…」
楓は冬也のことを呼びだすと教室をでていってしまった。
ちょ…ちょっと楓ー!
二人にしないでよお…
「…」
二人になった私たちは無言が続く。
気まずすぎる…
「あ…私戻るね」
私は耐えきれず戻ろうとする。
「なあ…」
戻ろうとしたところをナツに引き留められた。
「な…なに?」
私はナツの方をふりかえる。
「前はごめん…ッてかあんなとこに本なんかおいとくお前が悪いだろ」
そして部屋散らかりすぎとまでつけたされた。
「悪かったわねえ!つまずくほうも悪いんじゃない」
「んだとお!?」
私たちは睨みあった。
「はははッ!やっぱりお前とはこうやってやってるほうが面白いわ」
そしてすぐに笑いだすナツ。
それに釣られて私も笑う。
良かった…
これでまともに喋れるんだ。
楓に感謝しないと。