残された俺たち。

「帰るか」

俺はスタスタ歩きだした。
春奈も俺にあわせようと同じ歩幅で必死についてこようとする。

多分俺はいま嫉妬で怒ってるのかもしれない。

「ナツ…早いよ」

ついてこれない春奈は俺の裾を引っ張る。

その行為がもどかしい。
「別に、普通だろ」
ああ、なんて俺はバカなんだらう…
自分が自分で嫌になる。

「ナツ…なんか怒ってる?」

怒ってる
そう言えば簡単なのに
それが言えない。
「別に」
だから冷たい答えになる。