「な…んで………」


そう言葉を漏らしたのは萩斗。


「いつからいたんだ…?」


威厳のある声でそう言ったのは総長である煉夜。


「…なんで、とかいつから、とか聞かれても。

元々帰ろうとしてたら声が聞こえてきてただの口論には感じれなかったから。

ただ…どういうことか説明してくれるよね?」


スッと目を細めて見渡せばビクッと肩が揺れてる人多数。


「あと、奏迩。あとで話があるから」


奏迩には背を向けたままそう言い、狼龍達の話を聞く体制に変えた。




「…だって。いきなり転校してきてありえない発言するわ馴れ馴れしいわで…」


数分の沈黙のあと、ポツリとこう言った萩斗。


その言葉がきっかけとなったのかみんな、言い出した。


「俺だって、もっと萌架さんと話したりしたいんすよ…!!なのに、転校生とべったりで…」

「そんなの、納得いきません」


これ、もしかしなくても。


「奏迩」

「なんや」


すぐ近くから聞こえてきた声。
やはり移動はしなかったようだ。


「笥箕に言ったように皆に言ってないんだ?」

低くなった声に、空気が揺れた。





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