…こんな歪な関係、

続けられるはずがなかった。



澪、怒るかな。

ごめんね、

今から、あなたのいちばん大切だったひとを、

傷つけます。



『…タクちゃん、もうあたしはタクちゃんが好きじゃないの。


好きなひとが出来たって言ったでしょ?


澪なんか関係ないよ。


もうあたしのことは忘れてね。


…さよなら』


『美生…っ』


タクちゃんが何か言う前に、

電話を、

切った。








澪は、

悪くない。

じゃあ、悪いのは、

あたしだ。

だったらとことん悪くなる。

よくある手かもしれない。

彼をこんなに傷つけていいはずない。

でもこうやって傷つけることしか、

あたしには出来なかった。

こうやって別れるしか、

出来なかった。







…こうでもしないと、

タクちゃんを離してあげられなかった。