ただ、

そうやって泣くあたしを、

タクさんは抱きしめ、

頭をなで続けてくれた。

…まるで小さな子をあやすみたいに。



その瞬間だけでも、

何か許された気がして、

何も知らなかった頃みたいに、

幸福な気がした。