「あ……。ちょっと待って。」
彼女らを呼び止め、沖田総真はなにやら囁いた。
たぶん、ろくなことではない。
すると、お嬢様3人は顔を青くして立ち去っていった。
「あ………。」
『コロシテクレナイノ?』
麗那がナイフを取り出した時点で死ねるかもしれないと思った。
もう全部嫌だった。この汚れきった世界も、自分のことも。
もう死にたかった。
でも………。
「死ねなかった……。」
私を凝視する二つの視線に気づいてはっとした。
そういえば、こいつらがいたんだった。ちょっと、やらかした。
「ありがとうございました。」
何か問われる前に、一言お礼を言ってその場を離れた。