「い…いいです。
先輩、離して………っ」



「嫌。
可愛い後輩が泣いてるんだ。
慰めてやるよ」



先輩は優しい。

初めて会う私を
ここまで優しくしてくれるのだから。


でも…………


私、頼んでないっ!!!!



「せ、先輩……離し――――」



「何してんの?」




そんな私と先輩の前に
現れたのは


私の……



「そ…奏馬くん??」




――――大好きな人。




奏馬くんは
鋭い目付きで先輩を睨んでいた。