「じゃ、じゃあね!!!」



私は逃げるようにして
走って会議室を離れた。



「実緒、待って」



奏馬くんが叫んだのが聞こえたけど……待てないよ。


だって待ったって
君は
あの子の元へ行ってしまうでしょ?



“実緒”なんて呼ばないで


まだ耳に
奏馬くんの声が残って
消えそうにない。



まだ私の中には
君と過ごした僅かな時間が
鮮明に残ってるんだよ?



君の笑顔が
まだ私の頭に消えないよ……




教えて?


どうしたら
君の記憶は消えてくれるの?