バカだ、私…… 好きな人と話せたからって 別に何も変わらない。 だって彼にとって アレは自然な事だったのかもしれないのだから。 近づいた距離が より一層、遠くに感じた。 ただ君だけに。 たった1人の君だけに 特別に思われたいんだ…… でも―――。 “実緒” 君に名前を呼ばれるだけで こんなにも 温かい気持ちになるんだよ? 君が私を 呼んでくれるだけでいい 嫉妬や切なさの中に ほんの僅かな純粋も 残っていた。