・・・・彼女と大地は会ったことがない。

大地に彼女の話をしたこともなかった。

しかしその時の華音は百合が教えたのかな?としか思わなかった。

「そっか・・・この服は・・・」

華音の好みを熟知している彼女らしいセレクト。

「遅くなったけど・・・渡せなかった誕生日プレゼント。らしいよ?」

どういう事?ってかあの子誰?大地の目は確かにそう言っていた。

「大地に会う前に大喧嘩したの。・・・私の誕生日前だったから、これは・・・4年越しのプレゼントだね・・・」

少し古い柄のワンピースは、あの頃華音が欲しい欲しいと言い続けていたワンピースだと気付く。

ワンピース一枚に2万もかけれず諦めたのだ。

懐かしそうにワンピースを眺めながら、華音の口から思わず声がもれる。

「・・・いつだって味方・・・か・・・・約束・・・守ってくれたんだ」

大地が不思議そうに聞いてくる。

「約束って?」

その問いに「また今度話すね」と笑うと華音は自分の頬を思いっきりはたく。

「これからが大変だ!頑張ろう」

二人はもう離れないと言わんばかりに手を繋ぎ、頷きあう。