その人は、バイクに跨がるとヘルメットも付けずに私に「乗れ」と、言ってきた。
あ、やっぱりこのバイクで行くのね・・・・。
いかついバイクだなー。
これ手が届くのだろうか?って思うぐらい、長い。バイクが長い。
でもこの人もデカいから、大丈夫か。
その前にあることに気付いた。
ーーーー私、バイクに乗ったことない。
これがまさに、初バイクだ。まぁ、普通に生活してれば今までの人生で、バイクに乗るようなことなんて無かったし・・・。
ダイが乗ってるのは、原付だから2人乗れないから乗ったことがない。
まさかこのタイミングで、私の初めてを失うとは・・・・思ってもいなっかた。
初バイクに、なんだか少し緊張する。
「後ろ」
「・・ん?」
「後ろに乗れ」
なんだか、その人の後ろに乗るのは躊躇してしまう。
けど、空いたスペースに顎で乗れと言ってくるんだもん、乗るしかないか
緊張しながら、その人後ろに乗ってみた。
初めて乗るバイクは、案外乗り心地が良くフカフカのソファーみたいだった。
それって、このバイクがお高いからなんだろうか?
これ発進したら、捕まった方がいいのか?って考えてたら、その人が「捕まってねーと落ちるぞ」と、言ったので遠慮がちに腰に手を回した。