だんだんと見えてきたイルミネーション。

クリスマスカラーの、緑や赤。冬を意識した、白や青の電飾たち。
なんとも、芸術的に飾られたそれらは美しかった。


「綺麗・・・・」

「だな。」

その場に立ち尽くして見ていた。
多分1人で見たら、こんなに感動しない。

誰かと見るから、こんなに感動するのかもしれない。それが、愛してる人だったら・・・。


きっと、何百倍も綺麗に見えるんだろう。


「ねぇ、綺麗だね」

「・・あぁ、」

「ずっと、奥まで続いててすごいよね・・・」

「・・・・」

「・・・・」

「ダイ聞いてる?」

ダイの方を見ると、視線はイルミネーションではなく私に向けられていた。


「あぁ・・・・電気代半端ないんだろうな」

「・・・何か、色気のないこというよね~普通電気代?・・・まぁ、確かに気になるけどさ」


おそろく冗談。そんなのダイの顔を見れば分かる。

「気になるんじゃん、ちょっと歩くか?」


うんと、返事をして歩き始めた。
冬の冷たい風邪が、私の巻き髪を揺らす。


その寒さすら、感じない程の綺麗さだった。