違う。


「俺・・・・・」



違う。



「サクラ・・・」


違うよダイ。


私がダイがいなければいけないんだよ。
求めているのは私だよ。
その気持ちに気づいていても、気づいてないフリしてるから・・・こんな事になっていまうんだよ。



「・・・ダイ」



「・・・・」



「私、ダイのそばに居る」


「・・・・」



「そばにいなきゃ、私がおかしくなるよ・・・」


私もダイも精一杯だったんだと思う。

ダイは喋るのも、正気を保つのも精一杯。
私はダイを不安にさせないように、自分を不安にさせないよう似るのに精一杯。



「サクラ?」


「なに?」


「受験お疲れ」


その言葉を発した唇と私の唇は重なった。
者が散乱する中、私たちはお互いの体温を探しあった。


必死に正気を保つダイに、抱かれるのは苦しかった。その苦しみがどうでもいいくらい、溺れた。



もう後戻りはできない。

ダイの為に・・
自分の為に・・