本当は何が何だか分からない。
部屋がこんな姿になっていることも、ダイがいつもと違う事も。
けど・・・・けど・・・・
私を見るダイの目が、何かを伝えてきた。
名前を呼ばれた瞬間、体の中の何かが渦めきあがった。
「・・・ダイ」
私は床に散乱しているものなんて、どうでもいいようにダイの元へと向った。
いつもダイが座る位置。
そして、ダイを抱きしめた。
「分かった・・分かったよ」
「・・・・」
「分かったから。こんな事しないで」
「・・・・」
私が抱きしめていたはずなのに、いつの間にかダイに抱きしめれれていた。
分かっていた。今のダイに何を言っても無駄なことぐらい。
多分今は、ハマっているときだから何を言っても無駄。
それでも言わなければなかった。
「ダイーーーーーーーー」
ダイの目はうつろになりながらも、何かを訴えてきたように見えたんだよ。
そして、名前を呼ばれた時私を求めている・・って分かった。
ばかでしょ?
自分でこんなこと思うなんて。
こんな状況になるまでダイは、何を求めているのか・・・
もしかしたらそれは、私じゃないかもしれないけどダイの目に映っているのは私なんだから・・・
「サクラ・・・」
「なに?」
「俺・・・・」
「・・・・」
「俺、サクラが・・・いなきゃ・・駄目だ」