部屋じゃない部屋がそこには広がっていーーーーーー



壁にかかっていたものははぎ取られ、散乱している。

テーブルはひっくり返り、そ上のあったものは無残な姿に。

布団は中の綿が出ていて、びりびりに切り引き裂かれている。

棚の上にあったもの、少しあった食器、洋服・・・・すべてがぐちゃぐちゃになって、散乱していた。


一体何が起こったのか分からない。
誰がこんなことしたの?



「だ・・・い?」



「・・・・・」



「ダイ?」



「・・・・・」



「ダイってば!!!」



大声を出して叫びかけるとやっと、ダイが動いた。
1点を見つめていた目が、私をとらえる。


その目はやはり、うつろ。
でも、もうそれは慣れたもんだよ・・・・・・


「・・・・・さっく・ら?」



「ダイ・・・・・どうしたの?」



「サクラ・・・」


「ねぇ、ダイってば」


「サクラ」


「ねぇ」


「サクラ!!」


私の目を見ながら、ダイは叫んだ。
私の名前を叫んだ。

そのとき、私の中の何かが途切れた。