試験が終わったら真っすぐダイの家に行くことになっている。
昨日、「受験が終わったお祝いしよう」と言ってきた。まだ合格もしていないのにお祝いをするなんて、おかしい。
それに、少しはしゃいでいたし。
今がこんなんだったら、いざ合格した時に何もお祝いはありません・・・ってなったえら、そっちの方が悲しいからやめてほしい。
けど、これもダイの優しさんなんだろう。
努力を認められることは嬉しい。
人間として努力を認められるのは、励みだし万人嬉しいことだと思う。
だからちょっと楽しみであった。
家まで遠いため途中でタクシーを拾った。
テンションがたき私は、必要以上に運転手のおっちゃんに話しかけてた。
「今日、受験だったんです」と言うと、「お疲れさん」と返してくれて調子に乗って、べらべら話してしまった。
こうゆう時に気さくでいいオジサンで、良かったと思う。
「どうもありがとうございました~」
コンビニの店員とは違う心のこもったお礼を聞き、気分良くタクシーを降りた。
浮足立ったまま、アパートへ向かう。
慣れた手つきで合いかぎを出し、鍵を開ける。
この動作もなんどもやれば慣れたもの。
こうゆう時、自分が彼女なんだ・・って感じてしまう。
「ただいま~」
と言うと、いつも「おかえり!」と小さい声だが優しい声が返ってくる。
これももう慣れた一つの、習慣。
しかし今日は返ってこない。
返ってくるどころか、静まり返っている。
あれ?いないのかな・・・・