その後はいつものように、奢ってもらい店を出た。


なぜか店を出るとすぐにお迎えさんがいる。
お迎えさんにも見張られてるのではないか?と、本気で思うが平然と車に乗るレンさんを見ていれば普通なのかもしれない。


ふかふかのソファーに座りながら、帰ったらどこを勉強しよう?と、考えているうちにマンションの前と着く。



「ありがとうございました。美味しかったです」


本当に思っているお礼を口に車を降りる。
そしてドアを閉めようとすると、必ず言われるセリフ・・・



「おう。何かあったらいつでも連絡しろ」


「はい!さようなら」


そして、風のように繁華街の方へと去って行く。


まるで彼氏みたいでしょ?
付き合っているカップルが別れ際に言う言葉みたいで。


実際の所、私にダイという存在がいながらも男の人と二人で食事に行くなんておかしいかもしれない。


・・・・いや、おかしい。

いくら私に下心がなくたって、何もされなくたって・・・変だと思う。


でも、私の中でそれはいけないとか、駄目なんだって感情は余り無かった。
レンさんは、男友達みたいなお兄ちゃんみたいな感覚で接していたから、悪いなんて感情をもってない。


むしろ、生活の一部みたいになっていた。


ダイにこの事を話していないし、話す必要がないと思う。
元々あまりお互い束縛しあうなん行動しないし、きっとどこかで「ダイにはわたしが必要だ・・・・」なんて、小悪魔的な考えを持っていたんだと思う。


だから、本当に何かあったら連絡しよう・・・

それぐらいの事だった。
私のアドレス帳に入ってるレンさんへは、一度も掛けたことがないけど。