不良少年ユウヤのことは、前に一度話したことがある。
ユウヤがあんなにも尊敬しているから、てっきり知り合いかと思っていたっけ知らなかったんだっけ?


「この間そいつと話した」


「まじですか!?」


「おう」


「ひゃーアイツ喜んでますよ」


レンさんみたいになりたい・・・と言っていた、ユウヤだから話をしたなんて嬉しいだろうなぁ。

いつも使っているジッポで、タバコに火をつける姿は何回も見た。
その早さは、世界一なんじゃないかと思うぐらい早いレンさん。


「あぁ、何言って聞き取れなかった」


「それぐらい嬉しかったんじゃないですか?でも・・・どうやって話したんですか?」


「表通りのゲーセンの前通ったら、知り合いがいてそいつと一緒にいたんだよ。こいつ俺の後輩って、紹介されて勝手に自己紹介初めて、名前どっかで聞いたことある名前だったから、お前サクラ知ってるか?って聞いたら、同じクラスです・・って言うから・・・」


あいつ・・・
表通りに行ってるのか。やっぱり不良少年だな。


でも、よく覚えてたと思う。
ユウヤの名前も、私の名前も。


一度も名前で呼ばれたことがないから、てっきり忘れたのかと思っていたよ。



「ユウヤ何か言ってました?」


「あぁ、俺喧嘩は負けたことありませんって宣戦布告してきやがった」


笑いながら言うレンさんだけど、なんもおもしろくない。
とゆーか、それ宣戦布告なのか?


「それ、多分喧嘩は負けたことないですから強い俺と、友達になって下さい・・の間違いですよ」


「そうか?てっきり、俺と張り合うのかと思ったけどお前のツレだからやめた」


「それは、良かったです」


実際にこの人が、喧嘩しているところ見たことないしどれだけ強いのかも知らない。
もしかしたら、全然強くないのかもしれない。


けど、ユウヤがあんなに興奮して伝えてくるんだから強い・・・のだろう。