彼女はタバコに火をつける。


母親の吸っているタバコの銘柄は嫌い。昔から母親は、この匂いしかしないから嫌い。

彼女はの姿を見て、2児の母親と気づく者はいるのだろうか?私が街で会ったとしても思わない。


歳を感じさせない派手な服装、
目立つ茶色の髪、
言いたくないが綺麗と認める細い脚、
ばっちりとした化粧、
男を誘うような甘い香水・・・・。


そして、私の嫌いなグロスでたっぷりと塗られている唇。


恐らく出勤前なんだろう。
外見は、綺麗な人だと思う。


でも、知っている・・・
この人の中身は最悪ーーーーー腐ってる。


「あんた今年受験でしょ?」


何か月ぶりくらいかに話をした。
そして、母親の口から出てきた言葉は・・・普通の母親なら知っていて当然のこと。


これで分かったでしょ?
この人が私に興味のないことなんてーーーー。


「そうだけど?私の年も忘れた?」


挑発的に私は言う。
いつからか、私はこの人に母親の感情を持たなくなった。


冷たく当たることしか出来ない。
・・・・どこかで、ある感情は「この人に負けたくない。」