話は4月に戻る。


母の執刀医でもあり担当医が北海道ガンセンターへ移動となった。

何だか偉い立場でも移動らしい。


「○○さんも当然移ってもらいます」


そう言われて「はぁ・・・」としか言えなくなった。

有無を言わさずとはまさにこの事。


がんセンターは名前の通りにガン患者しかいない。

それに北大に比べて古くて何だか暗いイメージだ。


服用する抗がん剤治療と検診はがんセンターでとの事。


でも天下の北大を離れるのはかなり不安だった。


「放射線治療だけは北大でする」


そう決めて4月に母の治療は北海道がんセンターでする事になった。


これがあたし達家族の失敗になる。


担当医が変わっても北大に残るべきだった。

結果が同じだとしても北大だったら納得出来たはずだった。


医者の言葉なんて鵜呑みにしなければよかった。


あたし達の永遠に消えない後悔ががんセンターへの移動。