「はい?」
医者が何を言ってるかわからなくてあたしは首を傾げた。
「だから『QT延長症候群』。それがキミの病名です」
「Q・・・?それって何?」
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※家族性突然死症候群(QT延長症候群)とは
突然、脈が乱れて立ち眩みや意識を失う発作が起こる遺伝性の病気です。意識を失う発作が止まらない場合は死亡することがあります。しかし、発作がないときは自覚症状は全くありません。また、検査をしても心電図のQTといわれる波形の部分が正常に比べて長い以外は異常が見つかりません。このような心電図の特徴からこの病気は「QT延長症候群」と呼ばれています。
(難病サイトよりの抜粋です)
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「それって、あたし死ぬんですか?」
「場合によっては。発作でそのままという可能性もあります」
「いやいや、急にそんなわけわかんない事言われても・・・だって自覚症状ないもん」
「ないのがこの病気の怖さなんですよ、あなたは後天性だから人口も少ないし心臓への薬が使えないんですよね。それに今までのカルテ取り寄せましたが、間違った薬の処方もこの病気になった一因でもありますね」
淡々と喋る医者に「間違った薬って何!?」とビックリしてしまった。
「簡単にいうと、あなたは鬱病じゃない。でも処方されている薬は鬱病の薬だったって話です。この病気はこういう大きな病院じゃないと発見出来ないので、まぁ仕方ないですけどね。精神不安定はこの薬が原因ですよ?薬を落とす治療に入りますから間もなく不安定な気持ちは落ち着きますけど。不眠症は治りませんけどね」
鬱病の薬??
だから常に不安だったし自殺未遂とかしてたの??
『こんなの本当のあたしじゃない』ってずっと思ってたのは間違いじゃない?
何だか一気に色々言われて目眩がしそうになった。