『白蘭信澄大姉位』


これが新しい母の名前だ。


母の名前は『信子』。


この戒名を付ける時にお坊さんに聞かれた。


母の好きだったものは何だったのか、と。


母は花が好きな人で庭も家の中も観葉植物と様々な花がいっぱいある。

ジャングルかと思うほどに。

そして洗濯をして布団を干す時に、青空に流れる雲をぼんやりと見るのが好きだとよく言っていた。

布団を干すのを忘れて横になり何時間も雲の流れを見ていたとか。



それを説明すると、この戒名が送られた。


花と澄み渡った空、そして母の名前の一文字。


粋なお坊さんらしく『白蘭』と戒名につく事はなかなかないらしい。



母の一周忌がもうすぐ来る。


だからこの作品を書こうと思っていた。