帰ろ帰ろ…
ドア開けようとすると何かに引っかかっていて開かない。
ドアの隙間から見えたのは
「久保くん?」
ドアの前に久保くんが座っている。
「ん~奈津さ~ん」
甘えるようにあたしの名前を呼ぶ。
相当酔っているみたい…
この短時間でどう飲めばこんなに酔えるんだ?
いや、そんなことより
「久保くん!そこにいるとね、あたしがここから出れないんだ」
「あぁ!ごめんなさい」
ヨロヨロと立ち上がってやっとドアが開いた。
「わ!ちょっ…」
外に出たかと思ったらもたれかかるように久保くんが倒れて来る。
「お、重い…」
倒れないように必死に踏ん張る。
けど久保くんはゴロゴロしてあたしを見上げて
「奈津さーん。俺が送って行きますからあー」
久保くんはあたしのことをギュッと抱きしめた。
.