「力を引き出すためです。幻覚でも見えましたか?」

「!?……」

「この戦争は必ず勝たなければなりません。あなたが死のうとも」

「人をなんだと……」
「人?あなたは王家の人間。誇りを持ちなさい」

「あたしは……ハーフです……」

「出ていきなさい」

「……」

「……今まで顔を見せなかったくせに少しでも役な立ちなさい」

「……っ……」



役にたつ……事……


















あたしはバートリーおばさんの部屋を後にした。









「……」


死んだってかまわないわけ!?大体なんでこんなことに……




足元を見ると鏡のような物が落ちている。手に取ろうと手を伸ばした瞬間、鏡の中から太く黒い手が現れる。



「!?なに……」


どんどん鏡の中から現れて来る。
最初は腕、体……そして脚。


完全に一体の鬼らしき者が鏡の中から出てきた。



「!?……」


「……ぐっ……ぐ……」

うなり声をあげて鬼は腕を振り上げ自分目掛けて打ち込んで来た。
後ろの壁は粉々になった。




「……なに……こいつ……?」

鬼を睨んだ瞬間あたしの中でドクンとなにかが響いた。



「!?」





なに……?