「で、どうだったん?やっぱり皐月は王族?」

タバコを吸っている景が口を開く。




「ああ、口に入れた瞬間、わかったわ」

「へぇ~……やっぱりあの治癒力は……そうか」



美月は携帯を触りながら俺に問いかけた。


「まぁ、もうすぐこの扉も開くし、この世界もハーフのもんやな」

























皐月








「皐月?どこ行くねん?」



「……帰ります」

「は?まさか、あっちの世界?」

あたしが頷くと剣さんはあたしの腕を掴んだ。




「今さら……なにしに行くん?」

「聞きな行くんです」

「まさか、王家に?もう皐月は死んだ事になってんねんで?」

「わかってます!!でも……蓮も殺されて黙ってられません」

あたしはその場で自分の背中の翼を広げた。



「じゃあ俺も行くわ」


「……!」
























大きな扉からあたしと剣さんは暗い中へ入って行く。









「……久しぶりやなこの感じ」


「王家は確か一階層でしたよね?」

「ああせやけど……入れるかが問題やけど……」


あたしと剣さんは一階層へと飛行する。



一階層の門は明らかに他の層とは違っていた。



今まで二階層までは行った事があったが一階層に来たのは初めてだった。


大きな白い門があたしたちの前に立ちはだかっていた。門番が口をひらいた。

門番と言っても仲間の吸血鬼ではない。


門の真ん中にある顔があたしたちを見据えている。





「なに用だ……?」