皐月
あたしは真緒さんが住んでるマンションの部屋に来ていた。
「それ……でも……なにか変わるん?」
「はい。操られる事はないと思います。けど吸血鬼になったと言うことは変わりありません。人間に戻ることはないですけど……」
「……」
剣さんも横で見守っているように見えた。
真緒さんは悩んでるいる。
「どうしますか?」
「……でも吸血鬼になる事は変わらへんのんやんな?……人間には……もう」
「はい……でも操られて殺されるよりはマシです。美月さんや景さんがしてることはあたしたちの世界にとって反乱と同じです。」
「……でもほんまに……美月と景ちゃんが……吸血鬼やなんて今だに信じられへん」
真緒さんは再び頭を抱えた。が
すぐに立ち上がってあたしの目の前に来て肩を掴む。
「……」
「……」
剣さんは黙ってその様子を見ている。
「!っ……」
あたしの首筋に痛みが走る。
「……」
これで……いいはず……
数十分前
「ちょ、なに言うて!?」
「もうそれしか方法がないと思うんです」
「方法ないって俺が皐月の血を貰うようなもんやろ?……それ……皐月も操られててまうんじゃ……」