「大丈夫か?」

亜季さんはだるそうだったが「ああ」と受け答えははっきりしていた。


「……ほな練習しようやー」

美月さんと景さんは何食わぬ顔で自分の楽器を触っている。
亜季さんも……




「……」

「!皐月……?」




真緒さんの言葉も聞かずにあたしはスタジオを後にした。





今一体どうなってるわけ……




スタジオにいる真緒さんたちも気になるが家にいる蓮のことも気にならすぐにあたしは翼を広げた。
















部屋に着くて鍵が何故か開いていた。あたしはすぐに寝室に向かう。

「蓮!!?……っ!!」

部屋に入ると血の臭いが立ち込めていた。硝子が割られカーテンが靡いていた。

「っ……!?……どうして」
ベッドの上に蓮はいなかった。 そこには血の塊がじんわりとベッドのシーツを汚していた。

あたしはしばらくその光景を見つめていた。


一体誰が……

いくら治癒力が高くてもまだ動けるはずがない。

「!」

インターホンが鳴りあたしは恐る恐るドアを開けた。



「……?…剣さん?」

「よかった!おった」

剣さんは息を切らして立っていた。

「剣さん、蓮が……」
「え」