「あ、……足は大丈夫です!!?」
あたしは剣さんの顔を見て、またチラシと見比べた。
「あ、俺らのフライヤー」
「え」
剣さんはあたしが持っているチラシを取り上げた。
「これ俺」
「!?」
目を疑った。
髪型は少し似てるものの、化粧しているのとしてないのでは違っていて。
「あ、違うって?(笑)」
「あ……いえ……すみません……化粧なんですね」
あたしはもう一度チラシて睨めっこしていた。
「あ、ライブ来るって聞いたけど!うれしいなぁ!!!」
景さんがあたしの手を握る。
「あははは……はい。ずっとみたかったんで!!!」
「……」
と、言った瞬間、空気が静まり返った。
「あ……あの……」
「初めてなん?」
剣さんが優しく聞いてくる。
「え、あ……はい」
「……」
何だかみんなの視線が痛い。
「でも、皐月ちゃんバンドしてるんやよな」
「え!?」あたしは声が裏変えってしまう。
「へー!!!なんのバンド?名前なんて言うん?」
「え!?……と……あの……」
「あ!!?やば!もう行かんとあかんやん!!!!」
「へ……?」
美月さんは何やら帰る準備をし始めた。
「真緒さんも行かんとやばいで!!!!」
「え、ああ……もうこないな時間か、みんなどうする?」