「……ったく……」



























「あ、あの!!!!」
「?あ……どないしてん?」
真緒さんは追ってきたあたしをきょとんとした目で見つめている。


「あのバンドって名前なんて言うんですか?」
「え、あ、チケットにも書いてあんねんけど、サディやで。よろしくな。」
「え!?」
「あ、みんなにも紹介しときたいから」
真緒さんはあたしの腕を引っ張りながら練習しているというスタジオの部屋へ連れて行かされる。

「え!?ちょ……あの!!!!」



嘘……

まさかの……
あの探していたサディが……
でもなんだか顔違うような……




あたしはチラシを見て真緒さんをもう一度見て首を傾げた。














「あ!!この前の!皐月ちゃん!!!」
「ほんまや(笑)え、なんで真緒さんと?(笑)」

スタジオに真緒さんと入っていきなり声をかけてきたのは景と美月だ。


「いや……あの」


「皐月ちゃんバンドしてるんやて!それで昨日も此処おったらしいねん」
「!」
真緒さんが説明し始めて、ますますあたしはみんなと目を合わせられなかった。


「そうなんや。足の怪我大丈夫?俺、ギターの剣。覚えてる?」
優しく話かけてきたのは剣という人だ。覚えてるといわれても、正直覚えてない。