「エルミも料理はうまいの?」

 つい親しく話してしまった。

 料理の効果というのはすごいものだ。

「エルミか」

 その問いかけにデイトリアは少し苦い顔をしたあと、とても複雑な表情を浮かべた。

「彼女は人として生活した事がなくてね。一度だけ作ってみたというやつを食べてみたのだが、どうにも感想しづらくてな」

「へ、へええ~」

 よほどの味なんだろうか、初めて解りやすい表情を見せた気がした。

 エルミの料理……食べてみたいような、食べたくないような。

 勇介も複雑な表情をした。