──夕飯の後片付けをしているデイトリアを久住はコーヒーを傾けながら眺めていた。

 マリレーヌが逃げ帰った日から二日が経っていた。

「デイってどれくらい強いの?」

 唐突に尋ねる。彼は飾る事のできない性格なのだ。

「どれくらいと訊かれてもな。何を基準にすれば良いのか」

「それもそうか」

 デイトリアは宙を見つめて発した久住に溜息を吐く。

「私に訊きたい事があるのなら、いつものお前らしく訊けばよかろう。いい加減に私もイライラする」

「えっ!?」

 静かだが棘のあるデイトリアの声に驚いた。

「怒ってるの?」

 初めてデイトリアの怒りらしい怒りに触れて新鮮な気持ちと共に戸惑いも感じた。