「馬鹿だねぇ」


「意外ですね。あなたなら最高の愛の形と謳いそうなのに」


少なからずミナナは驚いていた。


ミナナの言うことに、ふふんと何故か得意げになる彼である。


「心中する前に、周りの害悪を殺しまくればいいじゃないか」


「……その心は?」


「本という物語なんだから、ベターに周りに付き合いを反対された男女が、泣く泣くして心中する話でしょ」


「まあ、そんなことですね」


「甘い愛の形だよねぇ。周りに反対されたからって、それが何?そんなことで愛する人に痛い思いをさせるだなんて最悪だよ。

周りに反対された。ならば殺せ。これぐらいできてこそ、本当にその人を愛しているということなんだよ」