「あなたが後悔する殺しなんてあるんですね」
少なくとも、人間を害悪としか見ていない彼に殺しに後悔は当てはまらなかった。
ミナナ以外の生命を奪おうが、彼の綺麗な笑顔が汚れることはない。
「ミナナとの子供はさすがに特別だよ。俺たちの分身、だけど、ミナナの愛情を奪う憎たらしい奴。殺す可能性もあるし、後悔する可能性もある」
「あくまでも可能性ですね。どっちつかずな」
「本当にそうならなきゃ、分からないものでね。だから俺も子供が欲しいかどうか聞かれたら、どっちでもいいと言いそう。ミナナの意思に任せたい。今のところは要らないらしいから絶対に間違いはないけど……」