「現実だけでなく、夢でも繋がるなんて、俺たちの愛は深いね。アダムとイヴ、ロミオとジュリエット、月と太陽、海と空、あー、ええと、シンデレラと王子様、白雪姫と王子様たちよりも惹かれ合う唯一無二の存在なんだ」


――ロミオとジュリエットあたりで留めておけば良かったものを。


これではまとまりなさすぎる偏ったポエムだった。


「ところで、何を読んでいるの?」


椅子に座るミナナの後ろから腕を回す彼。本の前にある彼の手を払いながら。


「愛し合った故に心中する男女の物語ですよ」


律義たるミナナはようやっと彼に声を聞かせた。