「俺はミナナに恋という病を、ごほっ」
「まだ言いますか……。ところで、果物とお粥、どちらが食べたいですか?」
「お粥で。ミナナの手料理が食べたい、ごほっ。できれば口移しで」
「私に風邪を移させたいと?」
「俺の体内にあったものがミナナの体内にあるなんて、何だか卑猥な感じで燃え――ああ、いや、ごめん。普通にあーんしてくれればいいから」
手をあげるミナナに恐れをなしたか、微妙な妥協案を出した彼に何も言わず、ミナナはそばを離れた。
数十分後に卵粥を持ってきたミナナ。
「ほら、自分で食べてください」
「ミナナにあーんしてもらいたい」
「レンゲではなく、熱々の土鍋を口に突っ込みますよ」