細かい切れ端をゴミ箱に入れ始めた彼。

その後ろ姿は簡潔に物事を語る。


「大変だったんだよ、その後。あの時、俺は25ってことになっていたから、また一から偽造したんだ。危うく、害悪どもに見つかるとこだったけど、何とか根回しして21にした。うん、ミナナのためなら何だってできるんだと、改めて自覚したね」


「25、なんですか……」


「いや、自分の年齢なんて忘れたからそれも適当につけた。あ、違う違う。俺は21歳。ミナナがだーい好きな三つ歳上の21歳だよ」


「……、さいですか」


改めて彼は何でもありだなと、ミナナはため息をついた。