「いやさ、この前、立食パーティーに出席したんだけど。そこにいた男が『好き同士で結婚しないとは、それは真実の愛ではない。生涯を共にする、結婚はその儀式なのだよ』とか言うからさ、かちーんと来て、まあ、とりあえずザクザクしてやったけど。
あんな男が愛を語る結婚がどんなものか知りたくもあってね、それに君の隣に永久就職、なんて素敵な感じがしない?」
「間抜けですね」
「君が俺にそれを望むならば、喜んで俺は間抜けになろう。ええと、昨日の夕食なんだっけ?」
「それはボケです。ともかくも、国籍を作る気なんかありませんから、結婚なんてできませんよ」