彼は優しくてかっこよくて女子からも男子からも人気があるって保健室に来た
女子が言ってた。
確かに整いすぎているほどに整ってる顔。
サラサラの髪。
高い身長、長い手足、大きな手。





すべてが女の子にもてる要素でできているようにさえ思う。
きっといろんな人をこうやって支えてるんだ。
「私のか...」
彼の話をしようとした瞬間。
ブーブーブー...





私の携帯が震えた。
《今日早く終わりそう。6時半で》
ほんとに勝手。
《うん》
「先生?彼氏??」
「ぁ...うん。いちおう」






一瞬滝川君の顔が引きつった。
「最近冷たいし、会うのも一ヶ月ぶり。ヤることヤったらさっさと帰るしね」
「だから先生つらそうなの?」
「たぶん違うの。二人の関係をこうしちゃったの私だし。」
「そっか」






滝川君はそう一言つぶやいて私の頭を優しくなでた。
「ありがとね。気が楽になったよ」
何も言わずに微笑んで滝川君はベッドに横になった。