化粧も落さず寝ていた麻友の顔は

とてつもなく酷い顔だった。


つけまつげも半分取れファンデーションはどろどろ。


「..ひッでー顔だなあ?!なあ麻友ちゃんよお!」

あたしは笑った。


「うー..なーんか身体痛いーっ」

「大丈夫かっ!?なあっ?!麻友っ!」


あたしの嘲笑は聞こえなかったらしい。

いや。そんな余裕がなかったのか。


「あーん!酒が欲しーい!」

「さ..酒かっ!待ってろ!今買ってくる!」

そう叫んで翔太は財布も持たずに出ていった。


「んーっ!..あれ?紗南じやあんっ」


いま気付いたのかよ。


「..てかどーでもいいからまず顔洗え」