「紗南ーあ。もう酒ねーよお。買って来てー」

「てめーで買え!」

「ぷー」


こんな会話が何度繰り返えされただろうか。


周りには空き缶やつまみの袋が散らばり

ただでさえ狭い部屋がもっと狭くなっていた。


ふと時計を見るともう明け方で。

なんとなくすやすやと眠り続ける麻友に苛立ったから

「起きろや!おえ!麻友こら!」

とどつき起こしてみた。

それでも麻友のヤツはしぶとくてびくともしない。

更に苛ついたあたしは無言で麻友を蹴り続けた。


最初はぼーっと眺めていた翔太も

「っおい!?やめろよ紗南っ!」

と慌て始めた。


しぶてーなー。この馬鹿。

と半ば呆れて最後の1発を決めた後

あたしは座り込んだ。


「..う~っ」

とか言ってる麻友の元へ駆け寄る翔太を見て

あたしは笑った。