「ルオウヒネの西端に果物農園がありますよね」




ヨリモフの農園のことだ、とタカルコワは思った。




「そこからさらに西、ルオウヒネの郊外にリュテナという丘があるのをご存知ですか」




「ええ、知っております。昔、戦争があったとき、市民の一部がそこに避難したりしてましたよね」




「そうです、よくご存知で」




ホシウヒロは話を続けた。




「最近、私はそこに遊びに行ったんです」




「はい」