そして、思い出した。




昨日、タカルコワのスクーターを直してくれた人だ。




タカルコワは席を立ち、劇場の入り口まで行って名前を確認した。




ホシウヒロという名前だった。




「ホシウヒロさんか。今度何かお礼をさせてもらおう」




タカルコワはそうつぶやいて、劇場の中へ戻った。




ライブを見ている間、タカルコワはホシウヒロに何をお礼すればよいか考えていた。




そして、何かおいしい果物でも贈ろう、と考えた。