背中にまわされた腕に
力が入ったのがわかった


「冴…。」

先生の唇が
耳元から首筋に這う


ゾクリと
冷たさに肌が粟立った


そっと
瞼を開ければ

光り輝く金髪と
燃えるように赤い瞳に出会う


「お前の全ては俺のモノだ。

この香りも
流れる血潮も

誰にも渡さない…。」


聞く者全てを
恐怖に突き落とす
鋭く冷たい声


でも


私には
全てが
こんなにも愛おしい…