ヴァンパイアは魔法も使えるんだ…


先生と出会ってもうすぐ一年か…

まだまだ
知らないことだらけだな


なんて考えながら歩いていると

目の前に立派な門が現れた


「ここまでくればもういいだろ?」


コウモリちゃんは
一瞬にして
本来の姿に戻る


「ギーギー。」

そう鳴くと
どこかに飛んで行ってしまった

「ありがとう!」

その小さな背中に
声をかけた



さて…

そして私は
目の前の門に視線を戻す


いつもは
自動で空いたけど…

それは先生がいたからだろうな…

大理石で作られたような立派な白い門には
見る限り
インターフォンの様なものは見当たらない



参ったな…



立ちつくしていると


「遅かったな?」


急に
耳元に冷たいと息と
低い声が響いた