ある日突然、隼人さんから電話がかかってきた。


「もしもし!」


「沙羅?俺学校止めたい…」


「は?」


「沙羅に会えないしなんか勉強も微妙だし…もう帰りたいよ…」


隼人さん…
こんなに弱音を吐く隼人さんをあたしは初めて見た。

でも、こんな隼人さん嫌だ。
もっとちゃんと考えてよ。あたしだって離れてるの辛いよ…。
でも。

「隼人さん…学校止めたら別れます。」


ブチッ…


あたしは電話を切った。


うれしくてうれしくてたまらないはずの電話だったのに…。


でも“寂しいから”で学校止めたら、隼人さんの人生が変わるかもしれない。
なにしろ、この会えなかった一年間はなんだったの?って話。
あたしも隼人さんも会いたいの我慢して我慢して…。


だから賭けに出た。


隼人さんが帰ってきたら、あたしは本当に別れる。