ここは素直に


“本田さんが女のコと楽しそうに歩いている姿を見たくなかった”


そう言えばいいのかもしれない。


だけど、あの雨の日。


、本田さんが私に『好き』と言ったのは。


ただ、からかっていただけだとしたら……


もし、素直に気持ちを話して


“あれ、本気にしたの?”


なんて言われたら……


そう思うと、私は何も言えなくなった。


「別に理由なんてありません」


私は掴まれている腕を振り払い、走って改札へ。


私が走り出した瞬間


「玲子さんっ!!」


本田さんの呼ぶ声が聞こえたけど、それを無視をして――…