『じゃぁ、その相手は玲ちゃんの事、好きなのかもね!』


すごく楽しそうに智花さんは言う。


「『好き』とは、言われましたけど……」


智花さんは、何でも話せる相手。


だから、私は素直に話す。


『そうなんだ!じゃぁ、玲ちゃんは何て答えたの?』


電話越しだけど、智花さんがすごくわくわくしながら、私の答えを待っているのがわかる。


「答えるもなにも、『付き合って』なんて言われてないし。それに、私、本田さんの事、好きじゃないですから」


私は強い口調で言う。


『そんなにはっきりと言い切っちゃうんだ』


智花さんは、あはは、と笑っている。