……あっ!!


「あれは、取引先の人ですよ。傘を忘れたって言うから、途中まで一緒に帰っただけで」


ちょっと違うけど、私はそう説明する。


『そうなの?でも……』


智花さんは言いにくそうに


『なんか“抱きしめ合っているように見えた”って言っていたから』


えぇっ!?


あの現場を見られていたんだ……


「違いますっ!抱きしめられたけど、でも、違います!!」


無理矢理抱きしめられたのだけど、社長に見られていた事に恥ずかしくなった私は慌てて否定する。


『えっ?でも、彼氏じゃないのに、抱きしめられていたの?』


あっ……


彼氏って事は否定したけど、無意識に抱きしめられた事は認めちゃった。


「えぇ、まぁ……」